更年期こそ‘呼吸‘が味方になる理由

「息が吸えない!」と初めて感じた産後

一人目を出産後、寝不足と疲れからいろんな変化が体と心に起こりました。

その1つが「呼吸がしづらい」

特に夜、体は眠りたいのに「吸おう!」と頑張らないと吸えない。

苦しい!あれ?

無意識にしていた呼吸が、意識して頑張らないとできない。早く眠りたい。

体の中で何が起こっているのか分からず焦るばかりでした

身体がずっと緊張状態だった

産後の経験は、たくさんの気づきをもらいその後の私の興味関心へとつながります。

特に呼吸。

あの頃は常に緊張状態。24時間スイッチオンでした。起きていても寝ていても、横にいる小さな命を見守るために仕方のない状況。

けれども「呼吸でリラックスする」という術を知っていたら、もう少し自分もリラックスした状態で穏やかに過ごせたな、と今なら思えます。

だから今こうして伝える立場になった私は、普段のパフォーマンスや体と心に直接作用する「呼吸」を一番大切にしています

「呼吸を味方に。お守りになるから」

道具もお金もいらない。寝たままでもできる呼吸

呼吸にいい、悪いはないです。恐らく今の環境が今の呼吸をつくっているから。

だから体の状態がとてもよく分かります。ここで簡単にできる「呼吸チェック」をしてみましょう!

①1分間の呼吸数をカウントしてみる

②何秒吐けるかカウントしてみる

③胸だけに入っていないか、前側だけに入っていないかチェックしてみる

①は少ない方が②は長い方がリラックスした状態です。

③は呼吸筋が使われているかどうかが分かります。肋骨は前後左右に膨らむもの。そしてお腹までしっかり動くかも大切なポイント

リラックスばかりが優位でもやる気が起きない、倦怠感につながります。すべてはバランス。

1日の中で朝は交感神経が働き集中力もアップ、夕方から夜にかけて「意識して」副交感神経に切り替える。意識しないと現代の生活はずっとオン状態になってしまうから。

先ほどのチェック項目。今は呼吸が浅くても大丈夫。私も以前はお腹が膨らむ?10秒以上吐けない!そんな状態でした。これは練習です。お客様は「お稽古」と呼んでいます(笑)

「疲れやすい」「イライラする」「体が冷える」「便秘」「不眠」「ホットフラッシュがある」

体の自律神経の乱れで起きやすいこれらの症状、当然更年期の症状も同じです。

ぜひ呼吸をお守りにすることをおすすめします。

呼吸を味方にする理由

□自律神経に呼吸は直接働きかける

特に現代の私たちは吸い過ぎ傾向。これでは交感神経ばかりがをオンになり肩もあがったまま(吸うと自然と肩があがります)。

しっかり吐いて副交感神経(リラックス)を優位にすると肩も自然と下がり心身の安定につながります

□寝る前の腹式呼吸は睡眠の質と寝入りをよくする

アロマや読書など環境を整えることも大切ですが、体に直接働きかけるのは「呼吸」

特に腹式呼吸はリラックスしやすくなります。私はストレッチ&呼吸をセットで寝る前の習慣に。寝入りが悪かったのも、今では気づけば勝手に眠れるようになりました。

□ホットフラッシュや急な動機、不安感、ストレスやイライラなどの情緒変動がやわらぐ

呼吸の習慣は更年期症状の緩和だけでなく、ストレス耐性アップ、そして代謝を上げるという嬉しいメリットも。「巡り」やすくなるため食べ過ぎた!という日の夜はいつも以上に「呼吸」します。

お手本は「赤ちゃん」

リラックスした状態の赤ちゃん。あのゆっくりとした大きな呼吸が理想です

基本は鼻呼吸。大きく肋骨が動き横隔膜がしっかり動いている状態

赤ちゃんは呼吸の先生。疲れた時に写真を見るだけでもリラックス効果があるそう‥

普段の呼吸をチェンジ

さて私のレッスンには主に女性のお客様が多いです。そして40~80代までの様々な年齢層のお客様がいらっしゃいます。腹式・胸式・丹田呼吸・478呼吸・肩鼻呼吸など様々ないわゆる「呼吸法」を取り入れ、衰えやすい呼吸筋のスイッチをオンにします。

そんな中、最近お伝えしているのが「普段の呼吸を変えましょう」

ウォーキングや買い物中、仕事中、信号待ち・・・日常の呼吸を意識してみる。

気持ちのいい季節。ウォーキング中も通勤中も呼吸を意識

それはインナーマッスルである腹横筋を先に働かせる呼吸です。

インナーを働かせてアウターを使う。その差はほんのちょっと。けれどもこの順番を体に染み込ませてほしいのです。

ピアノの練習と同じく、初めは意識して何度も何度も。「アッ!今呼吸が止まってた」「アッ!胸だけの浅い呼吸になってた!」とアッ!の瞬間を多くつくってほしい。

だんだんと意識していたものが無意識に。そこまできたら勝手にインナーが先に入る呼吸に「自動化」されます。

ポイントはて天然のコルセットと言われる「腹横筋」。

下の図のように、30%程の腹圧でOK。初めは指をあててスーッと背中側へへこむ感覚があるかチェックしてみてください。すぐに感じられなくても繰り返し練習。座り姿勢より仰向けになった方が重力の影響もなく感じやすいです。

硬さを感じる場合、他の筋肉も動いている為もう少し柔らかく吐いてみましょう。

骨盤底筋をスーッと引き上げるように吐くと、へこむ感覚が分かりやすいという場合もあります。

10・11月のレッスンは体幹スイッチオン月間。運動×呼吸は「脳トレ」にもなります。気持ちの良い季節、ぜひご参加お待ちしています♪

シャバーサナの時間で普段の役割からの解放。体と脳を休めます。
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